TOYO Shutter

まだどこにもない、理想の製品を私たちと一緒に MAKE with TOYOShutter

INTERVIEW with NOBUYUKI TANIGAMI at2024.7.23

東洋シヤッター株式会社 生産製品本部 技術部 第2技術課 チーフ

谷上 伸行

(略歴)大阪府出身。2015年4月に東洋シヤッター株式会社入社。入社から3年間はシャッター製品の開発を担当。その後、4年目から現在に至るまでドア製品の開発に携わる。仕事を進めるうえで大切にしていることは、製作性、施工性、意匠性、お客さまの使いやすさを常に意識しながら開発を行うこと。シャッター製品ならシャッター製品を、ドア製品ならドア製品を、と同カテゴリの製品を長く担当し続けることが多い当社において、シャッター製品とドア製品の両方の開発経験を持つ稀有な存在。

ユニバーサルデザインの観点から誕生した、
全ての方にやさしい引き戸タイプの扉。
一からの開発に取り組んだその軌跡をご紹介します。

ーシャッター製品とドア製品の両方の開発経験を持つとうかがいましたが、それぞれどんな特長があるのでしょうか。
ストレートに言って、まったく異なります。シャッター製品は、自分がこれまで担当した中で、それほど性能に関する課題と向き合うことは多くなかったのですが、ドア製品の担当になってからは、性能に関する課題と向き合うことが開発においてのメインとなっています。つまり、それだけドア製品の担当の難易度は高くなります。ただ、シャッター製品は部品の数がドア製品よりも圧倒的に多く機構や制御もあるので、その部分の知識は欠かせません。実は両方の知識を持つ開発者を育てようという会社の方針に従い、私の同期と担当をスイッチしたのですが、最初のころはそうした違いにお互い戸惑っていましたね。
ードア製品の開発担当になって、これまでにどのような開発を手掛けられたのでしょうか。
荷物の搬入口などに使う高さ4メートルを超えるような大型ドアの遮音性能取得に関する改良や、容易に取り付けができるアルミ水防板の枠取り外しタイプの改良を主に手掛けてきました。ただ、それらはあくまで既存製品の改良にあたるもの。TSスライドSATの開発担当に任命されるまでは、一から製品を開発した経験はありませんでした。
ーどんな経緯で「TSスライドSAT」の製品開発担当になられたのでしょうか。
TSレバータイトの製品開発を手掛け、開発担当ストーリーにも登場されている直属の上司が設計事務所へ聞き取りを行った際、ますますユニバーサルデザインが必要とされる現代にあって、これからは開き戸よりも年齢や性別、障がいの有無に関わらず誰にとっても使いやすい引き戸タイプが求められるのではないか、という声を聞いたことがきっかけです。それに世間には防火、防音、気密性といった性能を持つ開き戸は多く存在するものの、そういった機能性を有する引き戸はあまりないことにも大きな可能性を感じたようです。そこから私が担当に任命されたのですが、一からの製品開発に携わる、つまりは開発者としてワンステップ成長する良い機会だと思っていただけたのかも知れませんね。

トライ&エラーを繰り返しながら、
自分でも納得できる製品が完成。
社会課題の解決に貢献できれば嬉しく思う。

ー開発において苦労したことはありますか。
一番苦労したのは気密構造の部分ですね。はじめに気密材の検討から取り掛かり、図面に書き起こしてから試作に取り掛かったのですが、気密材の接触が強すぎると扉や枠の部分に接触し閉鎖障害を起こしてしまいます。しかし、だからといって弱くしすぎると接触が弱まり、今度は遮音性、気密性が悪くなってしまいます。気密材の付け方を変えてみたり、形状を変えてみたり、何度もトライ&エラーを繰り返しながら進めたのですが、同時に施工のしやすさやメンテナンスのことも考慮しなければならないので本当に大変でした。結局、厚さや硬さ、形状の異なる気密材を10種類は試作したと思います。けれども、そうした苦労を重ねた結果、自分でも納得できる製品が完成しました。
ーバリエーションが豊富なことも「TSスライドSAT」の特長だと聞きました。
そのとおりです。一般扉や軽量扉、窓入り仕様、防火対応、遮音性の等級など、さまざまなバリエーションを取り揃えているので設置する場所や用途に合わせてフレキシブルに選んでいただけます。正直、これだけのバリエーションを取り揃えている製品は、他社にはないと思います。それが実現できた理由は、直属の上司をはじめこれまで上の世代の方が築き上げてきたしっかりとした基礎があるからです。実際、開発の過程で行き詰ったときには、直属の上司や先輩方からさまざまなアドバイスをいただきました。自分一人では絶対に成し遂げられなかったと思います。
ーまもなくTSスライドSATが発売されます。(※2024年7月現在)どのようなお客様に使用してもらいたいですか。
それこそ本来の目的通り、「あらゆる場所のあらゆる人」に使っていただければと思います。性能に磨きをかけながら、使い勝手にもとことんこだわりましたから。TSスライドSATを採用いただくだけで、例えば車いすの方もスムーズに出入りできるようになるはずなので介護施設や医療施設はもちろん、今後ますますバリアフリー化が進むとされるオフィスビルや商業施設、教育施設などにも自信をもっておすすめできます。
また、発売されてお客様に使っていただいて初めて見えてくる課題もあるはずです。それら課題を汲み取り、改良に役立て、TSスライドSATをさらに良い製品にブラッシュアップしていきたいと思っています。

私自身がニーズの聞き取りを担当する、
いつか訪れるその日のために今から備えます。

ー現在、東洋シヤッターが力を入れている、お客様と一緒につくる「MAKE with」という取り組みについてどう思われますか。
今回のTSスライドSATの開発も元々は設計事務所へのニーズの聞き取りがきっかけですし、画期的な製品を作るうえで素晴らしい取り組みだと思います。今後は設計事務所だけでなく、直接ユーザー様に聞き取りをする機会も増えてくるに違いありません。
また今でこそ、直属の上司が聞き取りを担当し、私たち開発者に展開してくださっていますが、私自身が担当し、実現が難しいようなニーズや課題と直接向き合わなければいけない日もいずれ訪れるはずです。私としては、その時までに開発者としてもっといろいろな経験を積み、あらゆる状況でも柔軟な発想ができるように備えておきたいと思います。
ー開発者としてワンステップ成長されて、これからのモノづくりが楽しみですね。
本日はどうもありがとうございました。
こちらこそ、どうもありがとうございました。

東洋シヤッターのこれからのモノづくり
“MAKE with”にご期待ください。

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